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ある日のこと 〜白のモスケさんとポエトリーリーディング〜

  それは2024年2月の連休のことでした。白のモスケさんから連絡がありました。「一緒にポエトリーリーディングをしよう。合作が作りたい」ぼくはその時、体調が悪かったので断ろうと思いましたが、良くなってくると「よし、やってみたい!」と思い、一緒にポエトリーリーディングを作ることになりました。  詩はぼくの詩から選びました。できると思っていなかったのですが、3つのポエトリーリーディング作品が出来上がることになります。作った作品は以下の詩からです。 ・「文字たち」(詩集「Star Arrow」より) ・「雨よ」(詩集「さらさら」より) ・「青い空よ」(詩集「Star Srrow」より)  手順としては最初にぼくが詩の朗読をし、スマホに録音してメールでデータを送り、白のモスケさんがそれにBGMをつけてくれました。  ぼくは前にも白のモスケさんとポエトリーリーディング作品を作ったことがありますが、タイミングを合わせたり、詩に合ったBGMってどうやって作るのかな?と不思議に思っていました。そして今回も素敵なBGMを付けてくれてビックリしてしまいました。ちなみに朗読はぼくがやったので下手です。  では、感想を書きたいと思います。 ・「文字たち」  文字をトントン書いている音がまるでそこから文字が飛んでいきそうな感じがし、メロディーが自由な外へと旅立っていくかのような?気もします。 ・「雨よ」  雨の音が空気感を作っていて、メロディーがまるで詩のストーリー?に寄り添うような感じがします。 ・「青い空よ」  鳥の鳴き声とピアノが心地いい。ピアノの音が空に昇っていき、最後は大地に立つ感じに終わる。  白のモスケさんはぼくの詩のイメージを崩すことなく(人によってイメージは違うとは思いますが)、ポエトリーリーディング作品を仕上げてくれました。白のモスケさんには感謝です。一緒にポエトリーリーディング作りをしたのはとても楽しかったです。  詩人・くぽたみきと白のモスケさんが合作したポエトリーリーディングはくぽたみきのYouTubeで聴くことができます。ぜひ聴いてみてください!

詩「文字たち」(作・くぽたみき)の感想文

「文字たち」 作・くぽたみき ペンを動かしたら 文字たちは トトトントントン と、飛んでいった 窓ガラスを透けて通り、 自由な外へと 駆け出していったよ 君たちは楽しげだね ぼくはため息をすると 気づかされた 自分の吐いた息に乗って 文字たちは 飛んでいったんだとね  「文字たち」は詩集「Star Arrow」(2023年)からの詩です。この詩は文字たちが飛んでいく少し哀愁漂いつつ不思議な詩です。  この詩を読んで、まず印象に残ったのは、 文字たちは トトトントントン と、飛んでいった  というところです。くぽたみきの詩には擬音語がよく出てきますが、この「トトトントントン」というのはとてもリズミカルです。ぼくが思うにくぽたみきの詩の中で、もっともリズミカルな使い方をしています。ぼくの友だちはこの「トトトントントン」に興味津々でした。「文字たちが飛んでいったときのトトトントントンってどんな感じだろうね」友だちは楽しそうでした。ぼくはこの時、詩というのは本当に素晴らしいものだなと感じました。  けれどもこの詩には哀愁が漂うのです。結果から言えば 自分の吐いた息に乗って 文字たちは 飛んでいったんだとね  文字たちはため息に乗って飛んでいってしまったんだ。そんな哀愁が漂う言葉の前のほうで(ぼくが)言った言葉があります。 君たちは楽しげだね  これはとても不思議なことです。どう読み取れるでしょうか?あなたはどう思いますか?ぼくは心の中に、感じたままにこのことをしまっておこうと思いました。  文字たちはどこへ飛んでいってしまったのかなあ…!!

詩「ステキな朝」(作・くぽたみき)の感想文

「ステキな朝」 作・くぽたみき ある朝のこと ぼくは能天気だった まるでふわりと 軽やかに踊り出しそうな そんな気分だった もしも剣を持てば 敵うものは誰もいない シュッシュッ! くるりと舞っては 剣さばきに胸を躍らせる 空を見上げては 飛ぶ小鳥に投げキスをし、 朝の日差しに おはようと言うのだった  くぽたみきの詩には朝の話がよく出てきます。それは心の中の朝の話です。詩集「さらさら」(2024年)には「ステキな朝」という詩があります。とても清々しい朝の詩です。ところがぼくには引っかかる点がひとつあります。それは ぼくは能天気だった  というところです。人によっては違和感はないところかもしれません。しかしぼくは少し引っかかってしまいました。「能天気」まずこの意味を調べてみましょう。 ・あまり深く考えない様子 ・悩みが少なく明るいさま  そして皮肉を込めた意味合いで使われることが多いです。詩の内容を見てみると「能天気」を度外視すると、本当に朝を楽しんでいるような様子が目に浮かぶようです。軽やかに踊り出し、もし剣を持っていたら無敵だし、飛ぶ小鳥に投げキスをし、朝の日差しにおはようと言う。こんな朝を送る「ぼく」はぼくからすると本当に生き生きとした朝を送っています。  けれども、「ぼく」は「能天気」なわけです。ぼくはこの「能天気」があることでこの詩は一気に深みを増している気がしました。なぜならこの「能天気」はいろんなことを想像する材料になっているからです。  例えば「ぼく」はじつは元気がないのに明るく振る舞っているのかなあと思えたり、誰かがちょっと冗談で「能天気」だなと思ったり言ったりしたのを「ぼく」はまるで「そうだよ、ぼくは能天気さ!」と応えているのかもしれません。そんなことを考えてみると、この「ステキな朝」は捉え方次第でいろいろな表情があるわけです。それはぼくはネガティブでもポジティブでもありえる可能性があるように思えました。ぼくだったらポジティブに捉えたいと思います。「能天気」をスーッと垢抜けていると捉え、それだけ「ぼく」は純粋に朝を楽しんでいるんだなと思うことでしょう。  少し強引だったかもしれませんが、「能天気」があなたを傷つけないことを望みます。ぼくはこの詩を悪気があって書いたわけではないと信じてもらいたいです。

詩「キズ」(作・くぽたみき)の感想文

「キズ」 作・くぽたみき 星がキラキラ降ると 大地に突き刺さった グサッ!という感じに そしてぼくの心にも グサッ!と刺さった こんな痛いものが 天からの贈りものとでも 言うのだろうか? なんて意地悪なことを してくれるのだろう! ああ、大地を見渡せば そこら辺、キズだらけ 星よ、降るな!  詩集「さらさら」(2024年)には「キズ」という詩があります。これはさらりと書かれていますが、けっこう痛そうな詩です。  始めのところで「星がキラキラ降る」のですが、ぼくだったら「お星さまがキラキラ降る」美しい様子をイメージしてしまいます。イメージとしては「わー、お星さまだ!」という感じです。けれども星は美しいかはともかく大地に突き刺さってしまいます。しかも「グサッ!」とです。  「ぼく」は衝撃を受けてしまいます。「なんてことだあ!」というようにきっと思ったに違いありません。そしてその衝撃は「グサッ!」と大地と同様、「ぼくの心」にも「グサッ!」と刺さってしまうのです。  ここでぼくは思ったのですが、星が大地に突き刺さるのも「ぼくの心」に衝撃ですが、それ以上に何かが「ぼくの心」に刺さったのではないでしょうか?  「ぼく」は「こんな痛いもの」が「天からの贈りもの」なのか?と疑問に思います。大地に「天からの贈りもの」として「グサッ!」と痛いのと同様、「ぼく」の心も「グサッ!」と痛い。しかも「大地を見渡す」と「キズだらけ」です。するとここで「ぼく」の心も「キズだらけ」だと推測させられます。そして「星よ、降るな!」と「ぼく」は言う(叫ぶ)のです。  ここで全体を見渡してみると「ぼく」の心境が見えてくるようではないでしょうか?何があったかはもちろんのことながらわかりません。でも、ぼくは「ぼく」の心情が伝わってくるように思えました。  「ぼく」の「キズ」について、いろいろな考え方、感じ方があるでしょう。ぼくはこれ以上考えず、この「キズ」という詩を感じようと思います。深くは掘り下げようとは思いません。それに重く受け止めもしないでしょう。  ぼくはこの詩が読者の重荷にならないでほしいです。逆に楽しく読んだり、癒しになったりしてくれたらなと思います。作者はきっとそれを望んでいるでしょう。

詩「あの人」(作・くぽたみき)の感想文

「あの人」 作・くぽたみき  足が生えて スタスタ歩くゴミ箱 あっちに行ったり、 こっちに行ったり、 ゴミの受け取り作業に大忙し それにしてもあの人は、 鼻をよくかむなあ ポイポイ、 ティッシュを投げ入れては デスクに向かうその姿は じつにやる気がなさそうで 鼻をかむのが仕事みたいだ そう、ポツリと思う ゴミ箱であった  「あの人」は詩集「さらさら」(2024年)からの詩でとてもユーモラスです。最初のところから面白いです。 足が生えて スタスタ歩くゴミ箱  足が生えているゴミ箱って…、あ、しかもスタスタ歩いている!ぼくの妄想ではきっとゴミ箱に生えている足は2本足で、しかもぶっとくてなぜか器用にスタスタ歩けるのです。大抵、ぼくの詩に登場する「もの」に足が生えると、ぼくの妄想ではそんな感じの足が生えてしまうのです。  このゴミ箱は働き者のようで、しっかりとゴミの受け取り作業をこなします。そんなゴミ箱は「あの人」を見ています。やる気なさそうで、もしかすると自分と正反対だなと思ったかもしれません。ぼくはここで「あの人」がよく鼻をかむことに注目したいと思います。「あの人」はポイポイとティッシュを投げ入れてきます。ここで一つの仮説を立てようと思います。ゴミ箱があっちに行ったり、こっちに行ったり大忙しなのは、この「あの人」のせいではないか。ポイポイ捨てるから、あっちに行ったり、こっちに行ったり大忙しになるのではないか。もしかするとゴミ箱の大半の作業はこの「ポイポイ行為」に費やされているのではないか。  そしてゴミ箱は「あの人」は鼻をかむことが仕事みたいだなと そう、ポツリと思う  ということなのかもしれません。ぼくがゴミ箱だったらつい苦笑いを浮かべてしまいそうである。まったく「あの人」は…。そしてゴミは自分でゴミ箱に捨ててくださいと言いたい! ・この詩は文?として変なところがありますが、あまり気にしないでください。ぜひ「あの人」を楽しんでください!!

詩人・くぽたみきのプロフィールについて

ぼくのプロフィールはnoteに載せています。詩人・くぽたみきについてもうちょっと知りたい方はそちらを見てください。つまらない人だと思われるかもしれませんが、よろしくお願いします。 ↓ 詩人・くぽたみきのnote